研修会「市駅前界隈の歴史」





 第一回 歴史講演会「歴史から見る21世紀の街・市駅」
     内容 1.街の要件
          ○都市住民の出現
          ○労働者は消費者
          ○膨張する都市
        2.都市ターミナルの要件
          ○和歌山の都市交通
          ○市駅とJRの機能の変化
          ○モータリゼーションの限界
        3.近代都市和歌山の蹉跌
          ○和歌山の戦後復興
          ○行政指導の限界>
          ○高度高速交通時代の和歌山
          
          

 第二回 歴史勉強会「城下町が拓かれるまで」
     内容 1.和歌山平野の成り立ち
          ・紀ノ川の流れの変遷
          ・宇治という地名のもつ意味
        2.雑賀と雑賀衆
          ・雑賀湊の位置
          ・雑賀衆の本拠
        3.鷺森御坊と雑賀
          ・紀州真宗道場の変遷
          ・寺内町

 第三回 歴史勉強会「城下町としての発展」
     内容 1.和歌山城の築城
          ・秀吉の雑賀攻め
          ・近世の幕開け
        2.和歌山城の大手筋
          ・浅野氏の入国
          ・御三家徳川氏入国
        3.近世の城下町
          ・全国八位の近世都市
          ・近世身分制社会の計画都市
 


       ※        ※        ※

市駅に関する歴史勉強の成果

以上、3回の歴史講座を受けながら、随時、委員会においても「市駅のエース」
となりそうなもののピックアップをすすめた。
 その中で特に議論したのは、和歌山の土地形成に大きくかかわり、商業地、交
易港としての大きな働きをしてきた「紀ノ川」について、いろいろな可能性を探
っていってはということが一つ。
 そして今ひとつは、浄土真宗といった日本最大の宗教集団の本拠地を守り、一
時和歌山にもってきたことと関わりの深い「雑賀衆」について、そのヒーローで
ある「雑賀孫市」という人物についてクローズアップし、市駅のシンボルとして
はどうか、といった議論であった。
 いずれにせよ自分達の足元の歴史をしっかり勉強するために開いた当講座は大
変有意義であり、参加者の学習意欲をさらにかきたてることとなった。

◎.市駅のエース像

以上、事業の経緯をうけて、以下の3つに「市駅のエース像」はしぼられた。
┌────────┐
│ 1.雑賀衆   │
│ 2.和歌山城  │
│ 3.紀の川   │
└────────┘
 1.雑賀衆

 雑賀衆というよりは「雑賀孫市」といったほうが適切かもしれない。
 市駅周辺に謂われのある人物は、勝海舟、南方熊楠そして徳川吉宗などの有名
人もいる。
 しかし、生粋の紀州気質をもち、それでいて全国的に名をとどろかした人物と
いうと雑賀孫市(本名は鈴木孫市らしい)が、もっとも適当ということになった。
 彼の業績はベールにつつまれたところが多いが、雑賀鉄砲衆を率い、天下の織
田信長、豊臣秀吉に一泡ふかせ、当時最大の宗教集団であった石山本願寺の本体
を護衛し、当地和歌山の鷺の森に本拠を建設し擁護したことは、まぎれもない歴
史上の事実であり、一世の人物としてはきわめて稀有な業績を遺したといってよ
い。
 こうした史実を小説化した著書も多く、最も有名なのは司馬遼太郎氏の著書
「尻喰らえ孫市」であり、今もって増刷を重ねている。
 また、雑賀孫市はその本名を鈴木孫市といわれるように、海南藤代神社を母体
とする「鈴木氏」の系譜からもその足跡をたどっていける。現にインターネット
などにも「鈴木」「雑賀」などの名を連ねた孫市に関するネットワークをいくつ
か確認できる。
 こうした極めて紀州的なヒーローを、今一度世に問い、市駅のエースとすべく
健闘することは尽力に値しよう。

 2.和歌山城

 和歌山城については、来街者アンケート、来店者アンケートにおいて最も「和
歌山市のイメージ」として回答が多かった。しかし、立地として他の商店街との
関係や県市などの観光行政を無視した行動は行えず、その意味でいくつかの制約
があるように思われる。
 当初、和歌山城をメインとし、「吉宗くん」キャラクターの開発や、その銅像
を市駅前に建設すること、さらには、水戸、尾張と提携し「御三家サミット」を
開催する案まで浮上した。
 しかし、やはり地域的に市駅だけのキャラクターにしてよいのかといった問題
はのこった。

 3.紀ノ川

 「紀ノ川ほどうつくしい川はありません」の有名なフレーズをつくった有吉佐
和子作の「紀ノ川」は、市駅の裏手に位置し、ある意味でもっともいろんな活用
のできる可能性を秘めている。
 それは紀ノ川といった地の利を生かしたイベント事業であり、また、紀ノ川グ
リーンベルト構想に代表されるようなインフラの整備であり、あらゆる方法が考
えられる。
 また、アンケートの回答にも多かった「和歌山市のイメージ」としての「海」
「マリーナシティ」といったことともつなげられるかもしれない。
 イベントとしては、市堀川に船を浮かべマリーナシティまで回遊することや、
全国から船のラジコン大会を誘致し、紀ノ川や市堀川でレースを開催することな
ど、様々なイベントが思い浮かんだ。
 もちろんこうしたソフト事業に「紀ノ川○○」といった紀ノ川を冠し、市駅の
エースとして紀ノ川を打ち出すことはできよう。
 ただ事業の進行にあたっては、1級河川紀ノ川であれば国土交通省、2級河川
市堀川であれば和歌山県の許可を得なければならない。こうしたことについて、
さらに行政との意見交換を重ね、展開してゆかねばならない。




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